世界を見渡せば,冷戦時代のように世界をけん引する
政治や思想も力を失い,冷戦時に抑圧されていた様々な
価値観が,ここぞとばかりに噴出し様々な問題を生んでいます。
そんな混乱の根本には,自分と異なる考え方を排除しようとする
人間心理の本質的な傾向があるように思います。
第二次大戦後,冷戦時の核戦争に対する恐怖について問われた
心理学者のユングは
「それは,他者が自分と対立する意見を抱くという緊張に
どれくらい耐えられるかにかかっている」
と答えました。
世界の在り方という遠い現実でなくとも,
自分と異なる考え方,意見があることを認め,
それを基に自分の生き方も振り返ることは大切なことではないでしょうか。
それが賢く生きることだと思います。
そして,賢く生きるには就学時の「勉強」が大事だと思うのです。
意識さえすれば,いろいろな分野の思想・考え方を学べ,
ほぼ生活のすべてを,それらを吸収するために使える
貴重な時間が与えられているのです。
そう考えれば「なぜ,こんな将来に役に立たないことをやるのだろう」
などという後ろ向きな言葉など一蹴されるでしょう。
勉強の目的は,将来使うか使わないかという,実利だけではなく,
賢く生きるための原資になるのです。
